痔核・痔瘻・裂肛とは


■痔核
【症状】肛門の外側と内側には血管の集まった静脈叢というものがあり,肛門を閉じる働きをするクッションのようになっています. 肛門に負担がかかるとこのクッションを支える組織が引き伸ばされその部分が大きくなってきます. 腫れて出血をきたすことがあり,炎症をおこせば痛みを伴います.これが痔核でいわゆる『いぼ痔』と呼ばれるものです. 外側にできるのが外痔核,内側にできるのが内痔核です
【治療】外痔核は基本的には坐薬と飲み薬で治ります. それでも腫れがひかない場合は,局所麻酔で切除します.内痔核は脱出を自分で押し込まないと戻らないようであれば手術の適応です. 仙骨硬膜外ブロックという方法でお尻のまわりのみに麻酔を効かせ,痔核を結紮切除します.またどうしても切るのはいやという方には,”輪ゴム結紮法”というやり方で,いぼ痔に輪ゴムをかけて腐らせてしまう方法もあります.

■痔瘻
【症状】肛門の入ったところに肛門陰窩(クリプト)があり,ここにばい菌が進入して化膿し, 膿が出口をもとめて皮膚の方へトンネルを作り,膿を排出します.これが痔瘻で,そのトンネルを瘻管といいます.
【治療】薬ではなおりません.この瘻管を取り除く手術が必要です.IV型といわれる瘻管の深い症例以外は日帰り手術で対応いたします.

■裂肛
【症状】いわゆる『切れ痔』と呼ばれるもので,排便時に肛門が過進展されて切れてしまい痛み・出血を認めます. 便秘で便の固い人やいきみ癖のある人がなりやすく,繰り返し切れると慢性化して肛門潰瘍が生じ肛門が狭くなります. そうすると裂肛はさらに悪化します.
【治療】まずは排便のコントロールをします.痛みのある場合や炎症のある場合は,消炎鎮痛剤を投与します. 肛門が狭くなった場合は,局所麻酔下に肛門括約筋を切開し拡げます. 但し,肛門の狭窄がひどい場合は,肛門縁の皮膚をスライドさせて移植する手術が必要で,日帰り手術で対応可能です.

■手術のあとは?
2時間ほど回復室で休んでいただき,問題がなければ歩いて帰宅していただけます (希望があれば,近隣の提携病院に入院も可能です). 通院は傷の大きさにもよりますが,術後2-3日間ほど通っていただいて,あとは傷が完治するまで週に1回通院していただきます.順調にいけば約1ヶ月から2ヵ月ぐらいで完治します. シャワーは翌日から,入浴は翌々日ぐらいから可能です.仕事は痛みとの相談ですが,デスクワークぐらいであれば2−3日後ぐらいから可能です.
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